ビジネス・ウォッチング

ビジネス・ウォッチング 〜職場訪問記〜 vol.3

東京海上日動火災保険株式会社

今回の職場訪問記は、海洋を勇壮に進む帆船の広告でお馴染みの東京海上日動。国内外に多くの拠点を持つ大手保険会社ですが、岩手には昭和20年1月に盛岡営業所を開設。「地方とともに成長すること」を企業理念の一つに、岩手の発展に貢献しながら歩み続けています。

日本初の損害保険会社
終戦直前に盛岡営業所を開設

日本有数の大手保険会社として知られる東京海上日動は、大実業家である渋沢栄一らの力により、日本人の手による我が国初の保険会社として、1879(明治12)年に創立されました。当時は海上輸送に関わる貨物保険や船舶保険が主体でしたが、日本の産業の発展とともに自動車保険・運送保険・火災保険分野へ進出。中でも、自動車保険は1914(大正3)年2月、日本で初めて営業認可を受けました。日本にはまだ自動車が1000台ほどしかなかった時代です。

現在は国内に124の営業部・支店と、5万1000店を超える代理店を有し、海外でも38カ国250拠点を展開するグローバル企業ですが、岩手県との縁も深く、終戦直前の1945(昭和20)年1月に盛岡営業所を開設しています。以来、岩手県内でシェアを広げるとともに地元に溶け込んだ企業活動を展開。盛岡への出店50年を迎えた1994(平成6)年からは盛岡の夏祭り「さんさ踊り」のパレードに参加するなど、地域活動にも積極的に取り組んでいます。

盛岡と北上に支社を配置
地元経済の発展に貢献したい

盛岡市の開運橋通りに建つ重厚なビルが、東京海上日動盛岡支店が入る社屋です。岩手県内には同支店を中心に盛岡中央支社と北上市に岩手南支社を配置し、300店余りの代理店を加えて広い県内をカバーしています。

今年の春に着任したばかりという中村芳樹支店長は、「5月の連休に小岩井農場や八幡平を巡りましたが、岩手の大自然は本当に素晴しい。途中の風景はこれまでの赴任地であるカナダやオーストラリアにも負けませんね」と感嘆し、「岩手県の厳しい医療事情の中で大切な役割を果たされている先生方には、お体を大切にますます地域医療の現場でご活躍いただきたい。弊社も微力ながら岩手県の発展に貢献していきたいと思います」と、抱負を語ります。

また、川越将樹支店次長兼営業課長は、「当社が岩手に営業所を開設して73年目になりますが、岩手県における当社のマーケットシェアが30%強を維持しているのは、諸先輩の努力と代理店さんのがんばり、そして支えていただいている皆さまのお蔭です」と、これまでの歩みを振り返ります。

東京海上日動が提供する自動車保険、火災保険、所得補償保険、労働災害保険は、すべていわて医師協同組合の団体割引の適用等のメリットがあります。さらに、労働災害に関して「政府労災保険」の上乗せ給付や使用者賠償責任を補償する「業務災害総合保険」は、注目される商品です。

また、昨春から発売された通信機能付き「ドライブエージェントパーソナル」は、一歩進んだ自動車保険。ドライブレコーダーが強い衝撃を検知した際に映像を自動で記録・送信するとともに、提携企業に自動で事故連絡を行い、端末を通じてドライバーとの連絡も可能です。万が一、ドライバーが重篤な場合は消防へ連絡し、救急車の手配を行うなど、高度な事故対応サービスを備えています。

「映像の記録も残るので、お客様はこんな運転をしていますよという注意喚起にもつながり、保険の更新時には安全運転診断レポートを提供するなど、まさに安全・安心な社会の構築に向けた新しい価値の保険です」と、川越支店次長兼営業課長は説明します。

盛岡支店営業課副主任の神門さんは、地元の盛岡市出身。いわて医師協の担当で、週1回は事務局に足を運んでいます。「代理店さんの担当として営業の支援をさせていただくことが私の主な仕事ですが、ご契約いただいた証券を確実にお客様にお届けするまでは安心していただけません。保険の内容をわかりやすく説明してお客様に間違いなく提供できるよう、日々努めております」ときっぱり。盛岡さんさ踊りにも毎年参加しているという神門さんは、「いわて医師協さんをはじめ優秀な代理店さんと提携し、より多くの県内のお医者様、従業員の皆様に団体扱いの商品をおすすめしながら、提携の裾野を広げていきたいと思います」と、爽やかに話します。

“いざ”というときのパートナー
毎年3月に「語り継ぐ会」を開催

東京海上日動は、2011年3月に発生した東日本大震災において全国各地から延べ9000人以上の応援要員を被災地に派遣し、地震発生からおよそ2カ月で保険金支払完了のめどをつけました。そして、この震災の経験等を踏まえ、全国各地の拠点から保険金支払業務を支援する体制を構築し、2016年に発生した熊本地震では被災地拠点以外の遠隔地拠点からも損害サービス対応を行うなど、大規模災害を見据えた広域災害対応力強化の取り組みを進めています。

前任地の熊本で、まさに震度7の熊本地震に遭遇したという川越支店次長兼営業課長は、「お客様のいざという時にお応えするのが私たちの責務。東日本大震災以降、私たちは沿岸の方々に地震保険をおすすめしていたかという後悔もあり、3・11を絶対忘れてはならない」と強調します。

その教訓を踏まえ、盛岡支店では毎年3月、東日本大震災を「語り継ぐ会」を開催しており、「火災保険の中で家財、地震保険も団体扱いができますので、3・11を忘れないためにもぜひおすすめしたい」と神門さんも話します。

社会が複雑化するにつれ、保険が果たす役割も一層重要になっています。川越支店次長兼営業課長は「私たちは損保・生保が一体となった保険人として、組合員さんにとってメリットのある、他社にはないものを丁寧にPRし、安心と安全をお届けできるようにとの想いで日々取り組んでいます。いわて医師協さんにもご理解いただいて、さらにオーダーいただけるように努力し、そして岩手県の経済成長を支えるための一番の潤滑油であり、何かあった時のパートナーでありたいと思っています」と、力強く結びました。

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中村芳樹支店長(右)と川越将樹支店次長兼営業課長

 

8月に開催される「盛岡さんさ踊り」に毎年参加

いわて医師協担当の神門さん

いわて医師協の事務局と打ち合わせ

東日本大震災以降、毎年3月に「語り継ぐ会」を開いている

 

東京海上日動火災保険株式会社 盛岡支店・盛岡中央支社
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