トップ 特   集 いわてのこんなところ 女性部総会・特別講演 常務理事会報告
購買部より 厚生部より 組合員の異動状況 あ と が き

いわてのこんなところ
一戸町御所野縄文公園
二戸医師会 小野寺 正信

 一戸町の市街地東方にある縄文時代の遺跡である。国道4号一戸バイパス沿いに集成材で作った「御所野縄文公園」というモニュメントがあり、そこから500〜600mほど入ると遺跡に着く。駐車場と遺跡の間には幅100mほどの谷があり、その谷に遺跡への導入路となる吊り橋がかかっている。木製で、しかも屋根付きのカーブした吊り橋という非常にめずらしい橋で、全長140メートルの間が「暗」と「明」が交互に繰り返されるため、歩くたびに時代をさかのぼり、やがて縄文時代に達するという意図で作られている。
 遺跡は縄文時代中期のむらの跡で、中央部のストーンサークルを中心として、東西にむらが広がっており、その全域が保存されている。御所野遺跡の特徴は、焼けた住居跡がいくつも見つかり、その調査で全国ではじめて土屋根の竪穴住居が確認されたことである。公園のなかには、調査成果にもとづいた土屋根住居が9棟復原されているほか、3棟の樹皮葺き住居とともに、今までにはない新しい縄文の景観が形づくられている。縄文時代の巨大集落のひとつで、最終的には600棟以上の竪穴住居があったものと思われ、青森県の三内丸山遺跡とともに北東北の中心のむらのあとで、400年から500年続いたと考えられている。
 遺跡の側には博物館があり、焼けた住居から推定された縄文時代の住まいをテーマとしそれとともに御所野で繰り広げられた縄文時代の文化と生活が映像を中心に表現され、五感で感じるという、今までにない新しい博物館として好評を得ている。博物館の周辺には自然がそのまま残されており、散策するだけで心が癒されるため、季節ごとに訪れる人も多い。

 所在地:二戸郡一戸町岩館字御所野12
一戸町御所野縄文公園1 一戸町御所野縄文公園2
IWATE MEDICAL COOPERATIVE ASSOCIATION●No.55