あとがき  「民の多幸は、国の不幸なり」という言葉がある。思いがけない幸運を願ったり得たりする人ばかりが多いのは国にとって不幸なことであり、立派な人物が治める国は善人や努力した人がそれなりに報われるような国が幸せであるという意味のようだ。小泉政治は「格差社会」を容認し、市場原理優先のために規制緩和を行った。その大きな手段となったのがIT化である。この現代の「魔法の杖」は、汗水垂らすことなく椅子に座ってキィ・ボードを叩くことで億単位の多額の金額を得ることになり、あたかも額に汗して糧を得ることが馬鹿らしいことかのような風潮を醸しだし、世の中は乱れに乱れている。そして、小泉劇場の終焉は、安倍・福田の二人の可哀想な総理がピエロ役を演じ幕を引いた。
 サブプライム・ローンの破綻の影響は大きい。米国大手証券会社リーマンブラザーズの破産、他の米国大手金融会社も止むにやまれぬ状況から合併・統合と組織の再編が図られている。しかし、これも「終わりの始まりに過ぎない」と言う人もいる。米最大の保険会社AIGもニューヨーク連邦準備銀行から多額の借り入れをし日本国内の関連法人の売却を検討しているとのこと、日本国内の生保業務については実績もあり国内法の保護の元で契約者に迷惑がかかることはないとのことで一安心である。地方経済も疲弊し景気の良い話を聞かない。これからは坂道を転げ落ちるように経済状態の悪化は加速するだろう。医療界も今年4月から始まった「後期高齢者制度」・「特定健診」は、諸々の煩雑な作業もあり、医師のみならず国民の皆さんにも大きな負担をもたらし、制度そのものの見直しを求められている。年金問題も出口の見えない穴倉に入ったようで少しの光も見えない。このような悪環境の中「いわて医師協同組合」の運営も難しい時代となったが、暗い不況という穴倉を照らすサーチライトの役目を果たしたい。眞瀬理事長の手腕が大いに期待されている。

菅 原 克 郎

岩手の四季 「釜淵の滝」

岩手の四季 「釜淵の滝」

 花巻温泉の奥に位置し、高さ8.5m幅30mの円い形の大磐石の上を台川の清らかな水が玉すだれをかけたように数条に分かれ流れ落ちる。岩磐が炊飯釜を伏せたような形をしているところから、名づけられたとされる。賢治の詩碑がある。