特集

「生命保険を科学する」

ドクターの陥りやすい落とし穴(7)

〜生命保険の見直し時期って?!〜

株式会社リスクマネジメント・ラボラトリー 
代表取締役 佐 藤 正 彦

 今回は、 生命保険の見直し時期について、 お話しましょう。
 生命保険は、 何のために入っているのでしょう?いつのまにか生命保険に加入すること自体が目的になっていませんか?生命保険はあくまでも“問題解決の手段”です。 ですから解決すべき問題に変化が生じた (状況に変化が生じた) ときが、 見直し時期といえるでしょう。 しかしながら、 多くの場合、 変化が生じていてもそのままになっていたり、 売る側の都合に合わせた見直しになりがちですので注意が必要です。

■生命保険で解決すべき問題はどんなときに変化するのでしょうか? 

【家族構成に変化があった場合】

結婚されたとき ⇒
奥様を守るために、 万が一のときの保障が必要になります。
お子様が生まれたとき ⇒
お子様の教育や生活を守るために、 保障額が大きくなります。
お子様が増えたとき ⇒
お子様が増えればその分だけ保障額をプラスする必要があります。
離婚されたとき ⇒
保険金の受取人は契約者の意思で変更することができます。 お子様への保障や再婚のことを考えて、 しばらくはそのままにしておきましょう。

【収入・費用に変化があった場合】

収入に余裕ができたとき ⇒
奥様やお子様の保険を含め、 不足していた保障ニーズを満たします。
開業されたとき ⇒
開業時、 3年後くらい、 法人設立、 リースアップ、 相続、 閉院にあわせて変わります。 (後述)
お子様が大学を卒業されたとき ⇒
特に医学部の場合、 年間1千万円単位で資金に余裕ができます。 今まで思い切って取組めなかった老後の資金づくりや相続対策などに振り向けることも考えましょう。

【住宅状況に変化があった場合】

住宅を購入したとき ⇒
住宅購入資金確保のための保障はいらなくなりますが、 住宅ローンに対する団体信用保険が必要になります。

【開業後の変化に合わせて】

開業時 ⇒
開業時は順調に経営できるか不安も大きいため、 出来る限りコストを抑えたいものです。 安い保険料で大きな保障 (個人の死亡保障+借入れに対する保障) が必要になるでしょう。
開業3年目 ⇒
資金が最も不足するのは開業2年目です。 売上げ (収益) が順調ですと、 それに関わる予定納税が発生するのが2年目です。 これにより資金繰りは予想外に苦しくなります。 それを乗越えますと、 3年目あたりから大きな余裕がでてきます。 そこで、 保険も一生涯を見据えた不足部分を補うことがポイントとなります。
法人設立時 ⇒
法人化すると、 個人と法人に保険も分けて加入することが効果的となります。 退職金原資の確保、 節税、 相続、 事業承継、 個人の死亡保障、 などを見据えて、 個人・法人の全体像の見直しが必須となります。
相続対策 ⇒
相続税を支払う人は、 全体の5%くらいと言われていますが、 開業の先生方はほぼ全員が対象となるのではないでしょうか。 相続税の支払い原資の確保、 残された家族が相続ならぬ"争族"とならないための工夫が必要でしょう。
閉院間近な医院 ⇒
特に医療法人の場合、 経営のピーク時に節税目的の保険に多額に加入し、 そのままになっている場合が多いようです。 収益規模も縮小し、 節税ニーズもなくなっているのに多額の保険料を払い続けていると、 資金繰りへの影響は計り知れないものとなってしまいます。 保険を整理するときでしょう。
ドクターのライフステージ

ポイント

 生命保険は一度加入してしまうと、 見直す機会が殆どないまま、 陳腐化していることに気付かないでいることが多いものです。 以上、 代表的な 「見直し時期」 を取り上げましたが、 今のままでいいのかな? と不安な先生は、 ご遠慮なくご相談ください。 セカンドオピニオンとして、 丁寧にアドバイスさせていただきます。

 次回、特集は 「陥りやすい落し穴 その8〜学資保険・こども保険を考える〜」

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