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新型コロナウイルス感染症に係る雇用維持等に対する配慮に関する要請書について(厚生労働大臣)

中央会からのお知らせ2020年07月10日

厚生労働大臣より標記の要請書を手交された旨、全国中小企業団体中央会より通知がありましたので、お知らせいたします。

(以下、概要を掲載)

日頃より、労働行政の推進に格別の御配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。
新型コロナウイルス感染症については、全国を対象として発出された新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が全ての都道府県で解除される等、経済活動が再開しつつありますが、引き続き内外経済や雇用情勢への影響が懸念されており、今後段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていく中で、新しい生活様式・スマートライフを定着させ、感染拡大防止と経済再生の両立を図っていくことが必要です。
特に雇用への影響は、感染の状況よりも遅れて見えてくるため、足下の状況だけでなく今後の推移もよく見極めた上で、対応していくことが必要です。
これまで、厚生労働省におきまして、事業主の皆様の雇用維持の努力を強力に支援するため、雇用調整助成金につきまして、助成率の引上げや支給要件の緩和、申請に係る負担の軽減等の特例措置、労働局の体制強化による支給の迅速化等に取り組むとともに、非正規雇用労働者、外国人労働者等に対する相談支援体制の強化等、解雇や雇止めにあった方等の就職支援についても拡充を図って参りました。こうした支援策については、厚生労働省HPやハローワーク等における周知とともに、貴団体への累次の要請を通じて周知啓発へのご協力をいただいてきたところです。
先般成立した第二次補正予算では、雇用を守るための更なる支援として、雇用調整助成金の支給上限額の日額15,000円への引上げや解雇等を行っていない中小企業への助成率の10/10への一律の引上げ、労働者個人が直接申請できる新型コロナウイルス感染症対応休業支援金の創設、就職支援の強化、離職等により住まいを失うおそれのある方への住まい確保支援、小学校休業等対応助成金などを盛り込んでおります。
事業主の皆様におかれましては、こうした支援策を最大限にご活用いただき、労働者の雇用の維持等が引き続き図られるよう、下記の事項につきまして、ご了知くださいますようお願い申し上げます。併せて、職場における新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、換気の徹底など密集、密接、密閉の三密を避けた職場環境づくりやテレワーク、時差出勤の活用など労働者の労務管理への配慮をお願い申し上げます。
また、労働者が業務により新型コロナウイルスに感染した場合には、労災請求について勧奨していただくとともに、労災請求手続きに御協力いただきますよう、併せてお願い申し上げます。
厚生労働省においては、特別労働相談窓口を設置し各種相談に応じております。相談窓口の設置箇所、特例措置等の各種支援の内容につきましては厚生労働省HP(ここをクリック)をご参照いただきますようお願いいたします。

一 新入社員、学生アルバイトをはじめとする労働者の生活を守るため、雇用形態にかかわらず雇用を維持していただくことは非常に重要です。従業員の休業手当をしっかりと払っていただき、雇用維持に努めていただきますようお願いいたします。なお、政府としては、雇用調整助成金の上限額を日額1万5千円に引き上げ、解雇等を行っていない中小企業への助成率を一律に10分の10へ引き上げるとともに、出向期間要件を緩和するなど更なる拡充を実施しています。教育訓練を行った場合には雇用調整助成金の助成額が加算され、新入社員に将来の戦力となるべく教育訓練を実施した場合などにも活用できます。
また、事務処理体制や資金繰り等の面から休業手当を支払えない中小企業の労働者の生活の安定も非常に重要です。なお、政府としては、これらの労働者が自ら申請できる新型コロナウイルス感染症対応休業支援金制度を創設しました。この制度では労働者から申請があった際は事業主にご記載いただく部分があります。従業員から申請があったときは適切にご対応いただきますようお願いいたします。
こうしたアルバイトの方など雇用保険の被保険者ではない方も対象としています。

二 職を失った方を対象とした求人を積極的に提出していただくなど、職を失った方の雇入れについて特段のご配慮をお願いいたします。また、新卒者については、中長期的な視点に立って採用を進めていただくようお願いいたします。

三 2020年度卒用予定者等が十分な就職活動を行えるよう、多様な通信手段を活用した説明会や面接・試験等、柔軟な日程の設定などによる一層の募集機会の提供を行うなど最大限柔軟な対応を行うようお願いいたします。

四 有期契約労働者、パートタイム労働者等の雇用の安定とその保護を図るため、解雇、雇止めはお控えいただくなど特段のご配慮をお願いいたします。なお、雇用調整助成金の特例措置や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金は、労働契約が継続している間の休業であれば、雇用保険の被保険者でない方も含め、これらの有期契約労働者、パートタイム労働者も対象となります。

五 派遣労働者を受け入れている企業におかれては、安易な労働者派遣契約の解除、不更新をお控えいただくとともに、企業活動の円滑な再開に当たって、派遣労働者の能力を最大限に活用するという観点に立って、可能な限り労働者派遣契約の更新等を図っていただくようお願いいたします。その際、外国人労働者について、日本人と同様の対応が図られるようお願いいたします。なお、雇用調整助成金の特例措置や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金は、労働契約が継続している間の休業であれば、雇用保険の被保険者でない方も含め、これらの派遣労働者、外国人労働者も対象となります。

六 障害者の方など課題を抱える方の雇用の安定に向け、特段のご配慮をお願い申し上げます。特に、基礎疾患を有する者では重症化するリスクが高いとされていることから、感染リスクを減らすためにテレワークや時差出勤の積極的な活用の促進などの取組へのご協力をいただきますようお願いいたします。

七 労働者の生活の激変を緩和し求職活動への支障が生じないようにするためにも、住居の確保は非常に重要であり、社員寮等に入居している労働者については離職後も引き続き一定期間入居できるようできる限りのご配慮をお願いいたします。なお、雇用契約を解消した際に社員寮に引き続き居住できるよう、定期借家契約に切り替えることで生活困窮者自立支援制度における住居確保給付金を活用することができます。

八 子どもの世話や、家族の介護が必要な労働者が仕事と家庭を両立し、必要な場合に安心して休むことができるよう、有給の休暇制度の導入をお願いします。なお、政府としても、小学校等が臨時休業した場合等に子の保護者である労働者に有給の休暇を取得させた事業主への小学校休業等対応助成金の日額上限を15,000円に引き上げるとともに、家族の介護が必要な労働者に有給の休暇制度を取得させた事業主への助成制度を創設しています。

九 妊娠中の女性労働者が安心して出産を迎えることができるよう、男女雇用機会均等法に基づく新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置を、医師等の指導に基づき適切に講じていただくようお願いいたします。また、妊娠中の女性労働者が休みやすい職場環境づくりに努め、積極的な配慮を行っていただくようお願いいたします。なお、政府としても、この措置により休業が必要な妊娠中の女性労働者に有給の休暇を取得させた事業主への助成制度を創設しています。

十 新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、テレワークを積極的に活用いただきますようお願いいたします。なお、政府としても、テレワークの導入等のための支援として、テレワーク用通信機器の導入等に係る費用の助成やテレワーク相談センターにおける相談支援等を行っております。

十一 職場における新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、換気の徹底など密集・密接・密閉の三密を避けた職場環境づくりや時差出勤の活用など労働者の労務管理への配慮をお願いいたします。また、労働者が業務により新型コロナウイルスに感染した場合には、労災請求を勧奨していただくとともに、労災請求手続きに御協力いただくようお願いいたします。