岩手県は、切り立つ北上・奥羽山系と
豊かな河川に恵まれた、
古くからの木材生産地です。
ここでは、岩手の優良木材と森林資源情報を
ご紹介していきます。

<岩手県民有林樹種別面積内訳>
岩手県林業動向年報13年度版
グラフからもお分かりの通り、岩手県は豊富な数の樹種を誇っております。特に47%をも占める広葉樹の充実は、人工林を主体とした生産の安易な樹種だけに走らず、自然と調和の取れた育成環境の中で本物と呼べる樹種を大切にして育成する、そういうこだわりの姿勢でもあるのです。
<県内樹種別面積>



<蓄積>



すぎ
すぎ科の常緑高木。真っ直ぐな幹を持つ。日本特産。材質は柔らかで木理が真っ直ぐで割りやすい。建築材として多く用いられ、建具材・電柱・家具・桶樽材・箸に至るまで幅広く使用されている。
きり
ごまのはぐさ科の落葉高木。南部桐は最良材として有名。収縮・膨張が小さく、狂いが少ない。吸湿性が低く、断熱性、耐久性に富む。履物・建具・家具・楽器材として利用されている。
くり
ぶな科の落葉高木。材質は堅く、弾力、反張力に富む。水潤に強く、耐久性も大きい。鉄道の枕木・家屋の土台・家具材に利用される。また、薪炭材として多く用いられている。
あかまつ
まつ科の常緑高木。南部あかまつは岩手の県木。重硬で強度が高いが、加工性は良好。ただし樹脂成分が多い。主に建築・土木資材として利用され、パルプ材や松炭にも用いられる。樹脂はテレピン油となる。
せん
うこぎ科の落葉高木。大径木になる。材質は艶があり、加工性がよい。大きな板が得られ、木目が美しい。内装用材・家具材・合板用材・工芸品など広く利用されている。
くるみ
(オニグルミ)くるみ科の落葉高木。独特の光沢を持ち、軽軟で加工性がよく、割れや狂いが少ない。造作材・内装材・家具などに利用される。樹皮はよい染料となる。
からまつ
まつ科の落葉高木。適地適木として岩手県北に多く造林された。日本特産。材質はやや重硬で強度が高いが、利用の仕方によっては割れや狂いが出やすい。主に建築・土木資材に利用。また、家具材、外構材としても用いられる。
ぶな
ぶな科の落葉高木。大径木になる。材質は緻密で堅く、加工性がよい。反面、利用の仕方によっては変色や狂いを生じやすく、耐久性は極めて小さい。床材・家具材・合板材に利用される。
かえで
(イタヤカエデ)かえで科の落葉高木。特有の絹糸光沢を持ち、波状杢・縮杢などの杢目を現す。床板・床柱・家具・楽器などに用いられる。また、漆器木地としても利用される。
けやき
にれ科の落葉高木。北東北がその北限で日本を代表する樹木。社寺の構造材、造作材全般に利用。木目が美しく、家具や工芸品に多く用いられ親しまれている。
なら
(ミズナラ)ぶな科の落葉高木。用材としては主にミズナラを使用する。材質は緻密で重く、木目が美しい。床材・家具・化粧単板・枕木材などに利用される。また、小径木は薪炭材として多く用いられる。
かつら
かつら科の落葉高木。大径木となる。材色が濃いものをヒガツラ、淡いものをアオガツラと呼ぶ。軽軟で反りにくく、加工性がよい。器具材・家具材・化粧用単板に用いられる、彫刻材や碁・将棋版などにも利用される。