日本の気候と風土に適した木造住宅。今、木材の良さを見直すムードは高まっております。建築材としてのこの利便性を、データと共に振り返ってみましょう。

木造住宅は蓄熱量が小さく密閉性が低いのが特徴です。しかし、この特徴こそが外気と室内温度の差を和らげ、住む人の健康維持に役立つのです。
出典/山田正編:木質環境の科学 海青社
出典/則元京、山田正「木材研究資料」No.11,1977
出典/山本孝ら:木材工業Vol.22,No.1(1966)

新築したばかりの家は、どこもきれいで見栄えがよいもの。しかし、長く住んでいくと細かい痛みも目立ってきます。例えばクロスのはがれや充填接着剤についたシミとカビ。一生懸命掃除をしてもなかなか取れません。原因は室内に発生する結露にあります。木造住宅は、マイホームに大敵の結露を防ぐ性能に優れているのです。

「木は燃えやすく壊れやすい」と一般的に思われがちですが、下のデータをご覧になってみてください。実は木材は、表面が炭化すると内部までは燃えにくくなる性能を持っているのです。また、加熱しつづけた場合の強度の維持に優れ、不慮の火災時にも人間を守ってくれる建材なのです。
材 料 木 材 コンクリート
比 重 0.40 2.00 7.86
引っ張り
強 度 900 40 4,000
比強度 2,250 10 509
圧 縮
強 度 380 200 3,500
比強度 950 100 445
曲 げ
強 度 700 20 1,000
比強度 2,800 7 182
出典:「木と日本の住まい」〔(財)日本住宅・木材技術センター〕