人物クローズアップ

人物クローズアップ vol.12

校医や産業医なども含めて
地域のかかりつけ医であることが
私の役割だと思っています

須田内科医院院長
須田 健(花巻市医師会)

花巻に住んで13年 縁もゆかりも深い土地に

私は群馬県の生まれで、出身大学も北九州ですから、岩手は縁もゆかりもない土地だったんですが、花巻に10年以上も暮らしているともう第二のふるさとで、過ごしやすい町だと思います。岩手の方は気持ちが温かく、自分にも他人にも優しい人が多いですね。九州や関東ではそうはいきません。はっきりものを言う方が多く、中には病気が治らないじゃないかと言って怒る人もいますから(笑)。

反面、優しいというのも一つの問題で、患者さんの中には医師に相談もせず黙って薬をやめてしまったり、それで調子を崩してしまうと、また何事もなかったように病院に来たりと、私としてはとらえにくい感覚もあります。最近はそれも土地の気風かなと考え、「仕方ないですね。また一から治療を始めましょう」と、できるだけ患者さんの気持ちを汲むようにしています。

花巻市に来たのは産業医科大学を卒業した後、岩手労災病院に勤務したことがきっかけです。全国の労災病院の再編計画により岩手労災病院は平成18年に一旦廃止されることとなりましたが、それ以前から花巻市は病院の数が少なく、開業してほしいという地域の要望が多かったんです。岩手労災病院を離れるとき、浜松労災か愛媛労災病院に勤務するという選択肢もあったのですが、花巻の環境が気に入ってこちらで開業することに決めました。

内科を中心とした 地域のかかりつけ医として

花巻市の湯口に開院したのは平成18年12月で、労災病院時代から引き続き診ている患者さんもいます。お年寄りが多いので循環器科や呼吸器科など内科を中心に、時には整形などほかの病気を診ることもあり、地域のかかりつけ医としての役割が大事だと思っています。

専門の腎臓内科に関しては、東北地方は泌尿器科が診ていることが多く、私は主に講演活動などで疾患についての理解を広げています。そのほかにも幼稚園や小中学校の校医、さらに産業医として花巻市内で4カ所の企業と3つの高校を担当しており、毎週水曜日の午後は産業医の仕事で出向いたりと、忙しい毎日です。

常時50人以上の従業員がいる事業場は産業医の選任が義務付けられていますから、中小企業が多い日本においては、産業医の活動は活発です。産業医として、私は常に「社長」と同じくらいの考え方でありたいと思っています。危険な箇所などを注意しても経営的な考えを優先する企業は、改善すべき点もすぐにはできないこともある。そういう企業論理に寄り過ぎず、お金がかかっても直すべきところは直すように進言していかなければならないのですが、現実では部長止まりになってしまうことも多い。だからこそ社長と同等くらいの立場でありたいし、できない理由を考えたり、そこに感情を挟んだりすると難しくなるので過度の同情はしないように心がけています。

「普通に」が私のスタイル この地に根差してやっていく

意外に思われるかもしれませんが、私はホームページも開設していませんし、医師としても普段、あまりいいことは言わないようにしています。心で思っていても、表だって「患者さんのために、皆さんのために一生懸命やっています」と言うと嘘に聞こえませんか? 私は、そういうのはあまり信用していないのです。

もちろん、相談を受けた場合は真剣に聴きますし、緊急事態とあらば休日に出て仕事をすることもありますが、改めてきれいごとは言わずにごく普通に、一歩引いたところで、陰で一生懸命勉強して、そして病気を治していくほうが自分にあっている。患者さんにも、家族と同じようにいつも変わらぬ普通の態度で接し、診療に当たることが望ましいと考えています。

私は長男ですが、もう故郷に戻るつもりはありません。父は「アメリカやヨーロッパに比べれば、岩手は遥かに近い」と言っています。父はいつもそういう考え方です。本業の不動産鑑定士のほかに民生委員などいろんな地域の世話役をしていますが、物事の考え方や人への接し方が常に公平で、息子の私にも同じ態度で接してくれました。仕事に対する姿勢は、父の影響が大きいかもしれません。

趣味は浅く手を出す程度で、この頃は時間を見つけて、分冊百科(デアゴスティーニのような物)を作製しています。これまでフェラーリや鉄道模型と昔の街並みなど4作品を完成させました。1つを完成させるまで2年近い期間がかかるし、作品を置くスペースもいるため途中でやめる人も多いんです。売り手の商魂が見え見えなので、私は絶対やめるものかと(笑)。

花巻の開業医の皆さんとバンドも組んで活動していて、私の担当はギター。バンドを結成しては解散し、また組んでという繰り返しですが、今年の夏もイーハトーブ音楽祭に参加する予定です。

花巻で開業して間もなく10年、気持ちの温かい人が多い岩手に住んで、私もけっこう優しくなったと思います(笑)。これからも、この地域に根差してやっていきたいと思います。

↑ このページの先頭へ

須田 健

すだ・たけし

1966年群馬県伊勢崎市生まれ。1994年産業医科大学を卒業して神奈川関東労災病院で研修。その後、筑豊病院、芦屋町立病院、産業医科大学病院を経て2001年から岩手労災病院に勤務。2006年12月に花巻市湯口に須田内科医院を開院。医学博士。日本腎臓学会腎臓専門医。花巻市医師会で産業保健・保健医療担当。

 

さわやかな雰囲気の待ち合い室

分冊百科の完成作品「昭和の鉄道模型」

「昭和の鉄道模型 夏バージョン」

「ディズニーランド」と「フェラーリ」

愛用のギター

〒025ー0042
花巻市円万寺字下中野46-4
TEL.0198-38-1121
FAX.0198-28-2855
【診療科目】
内科、循環器科、リハビリテーション科
【受付時間】
月・火・木・金 午前9:00〜午後12:30、午後2:00〜午後6:00
水・土 午前9:00〜午後12:30
【休診日】
日曜・祝祭日・年末年始