あとがき

長い厳寒の季節がやっと過ぎ、桜花爛漫と咲き誇る春を迎えました。高齢の患者さんの顔にはようやく安堵の様子が伺えます。本当に辛い冬でした。

陽光もまぶしく輝き、春期89号はそれにふさわしい記事がラインアップされました。「人物クローズアップ」は釜石医師会の堀晃先生と奥様の美知子先生です。東日本大震災で津波に遭われたご夫妻の現在に至るまでのご苦労の様子が克明に記述され感動的です。堀先生ご夫妻の今後益々のご健勝・ご活躍を祈念いたします。

瀬川郁雄先生の「我が家のペット」は心から可愛がっている様子が先生の軽妙な筆致で表現され、実にほほえましく心温まる投稿でした。私も2匹の犬と同じベッドで寝ています。また今回、ケセン語提唱者・研究者でご高名な山浦玄嗣先生からご投稿をいただきました。ケセン語で聖書を作られ、ケセン語入門など多数の著書があります。ご多忙の折まことにありがとうございました。

前号まで表紙の写真を担当された岡田健男先生に代わり、同じく盛岡市医師会の佐藤護人先生に引き継いでいただくことになりました。言うまでもなく佐藤先生は写真の技術に大変造詣が深く「いわて医報」の表紙を度々飾っておられます。岡田先生お疲れ様でした。佐藤先生これからよろしくお願いたします。

さて、安倍内閣は3月15日にTPP参入を正式に表明しました。これによりいずれ世界に冠たる国民皆保険が崩壊してしまうのではないかと危惧する声が上がっています。日医は国益を損なうような場合は、交渉から撤退するよう主張しています。この他に控除対象外消費税、医学部新設問題、医師不足と医師偏在など課題が山積しています。このような中、日本医師連盟は、組織内候補として羽生田たかし副会長を選出し、今夏の参院選比例区(全国区)で自民党から立候補することになりました。3月31日の日医定例代議員会と総会終了後に、羽生田たかし副会長は「課題を背負うために、国政に送っていただきたい」と支持を訴えております。会員として心から応援したいと思います。

常務理事 逢坂 宇一

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