あとがき

 平成20年は、多くの天災・人災があり、事件・事故を枚挙するにことに困らない。そして、「いわて医師協同組合」にとって、残念なことは、中興の祖ともいうべき小野寺弘之前理事長(享年84歳)が平成20年10月8日に突然お亡くなりになった。7月の「東北・北海道定例会議」の翌日、全医協連・小林会長をはじめとする全医協連の役職員の皆様を平泉にご案内して昼食をご一緒した際にはすこぶるお元気であったし、6月の「岩手宮城内陸地震」では震源地に近い平泉町で無事乗り越えられたのにである。
 物作りを忘れ米国発の金融資本主義の破綻は世界大恐慌の流れとなっているが、それ以前に小泉改悪の影響で景気後退基調であった。県内にも不況の風も吹き荒れ建築・製造業から倒産も続出している。リーマンショックの本格的な影響が今年からとのことだが、大恐慌の不安が実体以上に企業経営者の心理を萎縮させ不況ムードが加速することが一番困る。
 そこで「国家の品格」の著者・藤原正彦氏はこのように提案している「日本は世界で唯一の『情緒と形の文明』である。国際化という名のアメリカ化に躍らされてきた日本人は、この誇るべき『国柄』を長らく忘れてきた。『論理』と『合理性』頼みの『改革』では、社会の荒廃を食い止めることは出来ない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり「国家の品格」取り戻すことである」と。
 この厳しい時代、武士道精神の香りが残る眞瀬 静理事長の指導力に大いに期待しよう。

菅 原 克 郎

岩手の四季 「冬の毛越寺」

岩手の四季「冬の毛越寺」

 天台宗別格本山・毛越寺は、慈覚大師によって嘉祥3年(850)に開かれました。平安時代後期に奥州藤原氏二代基衡公と三代秀衡公が金堂円隆寺、嘉祥寺など壮大な伽藍(がらん)を造営しました。その後度重なる災禍に当時の伽藍は惜しくも焼失しましたが、現在大泉が池を中心とする「浄土庭園」と平安時代の伽藍遺構がほぼ完全な状態で保存されており、国より特別史跡、特別名勝の二重指定を受けています。