<質疑応答>
鈴木恒男先生(盛岡市)質問:
 イラク戦争の終結は何時のことでしょうか?米国の短期決戦のシナリオは誤算であったのか、 どうかを教えてください。 戦後の状況・テロはどうなるのか?

白井講師回答:
 米国の考え方は、 フセイン政権を潰す、 フセインを暗殺しても良いとの指令が出ているわけです。 それは 「衝撃と恐怖」 という戦略によって行われたわけであり、 短期決戦の予定でありました。 9兆円の予算を組み立てなおしましたが、 8月撤退といっております。 その理由は、 3ヶ月位でフセイン政権を倒して政治体制を構築して撤退するという期限が8月であったわけです。 人間の 『時間の緊張』 ということを申しあげましたが、 国のトップが自分の政策が2ヶ月間で成功しないと、 信頼性が失われます。 最悪の状況になるのが4ヶ月です。 3月20日に開戦でありますので2ヵ月後は5月20日でその段階で勝機が90%見えてなければ、 ブッシュは間違って戦争をしたという評価を与えられます。 1ヵ月後の4月20日が非常に重要です。 4月20日に重要なキーパーソンとなるのはネオコンという人達でなくて、 テネットCIA長官、 ライス補佐官が中心になって、 どうしたら止めるかという会談が必ず行われます。 4月20日以後は猛暑になり、 市街戦が主体となりますと確実な戦果が認められなくなり、 5月20日に確実な勝利が見込めない場合には、 この戦争は失敗となり5月20日頃にはどうやって軍の撤退を図るかが問題となり、 一定の戦果を評価して 「成功した」 と称して、 フセインが打倒されなくても帰ってくるということがあり得る話であります。 「4月20日」 「5月20日」 の前後に注意してください。
 
いわて医協 若山栄司副理事長
 座長の小原先生から 「これだけのお話しをしていただける白井さんはテロリストにとっては、 敵対する関係にありますので、 これからはご自分も気を付けてご活躍ください」。
 最後に、 いわて医協を代表して若山副理事長から 「お忙しいなか、 私どもの医協セミナーで時宜を得たお話しをしていただきましてありがとうございます。 危険は至る所にあるということが先程のお話しでわかりましたし、 その身を守る対策につきましても分かり易くお話ししていただきましたことを感謝します。 どうか体調に気を付けて、 情報収集に努められて岩手に関して危険が察知されましたらいち早くこれを機会にお知らせいただくようにお願いいたします」 と謝辞を述べられた。

 場所を移して、 白井先生を囲んで意見交換会があり、 いわて医協眞瀬理事長の乾杯のご発声があった。 席上、 10日後にロンドンに出かけるという箱石勝見先生(盛岡市医師会)から 「イギリスはテロの危険度はどれくらいですか?」 と質問があり、 白井先生から 「中等度でありますが、 人が集まるような所には行かないように」 とのお答えがあった。

 参加者数が190名余り、 テーマがテーマであるので、 自衛隊、 県警、 消防関係者にお誘いをしたが、 予想以上の参加者があり、 非常に盛会であった。 講演内容は非常に恐ろしいものであったが、 主催者側のひとりとして満足のいくものであった。 講師の白井先生、 参加者の皆様に感謝します。

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