エリア13

地区だより(15)

けったら喰ったら、く
みやかわジンギスカン

花巻市医師会 循環器科・内科 大平医院 大平 和輝

みやかわジンギスカン

今回御紹介するのは、桜木町のベルプラス桜木店駐車場入り口の左側にある「みやかわジンギスカン」です。テーブル席が6席程度の昔ながらの食堂といったイメージですが、まず驚くことは店内がきれいだということです。肉を焼きますので壁や床が油っぽくなってしまいがちですが、店主に話を聞くと、特殊な装置で食塩水から強アルカリ性電解水を作り、なんと毎日3時間もかけて店内を掃除しているのだそうです。

食べ物のメニューはジンギスカンだけです。そして、付け合わせの野菜といえば、通常、もやし、玉ねぎ、キャベツなどですが、ここでは白菜のみが出てきます。十分熱したジンギスカン鍋をラードで一拭きし、鍋のへりに白菜を敷き詰め、鍋の盛り上がった部分に肉を広げて片面に焦げ目がつく位じっくり焼きます。途中でひっくり返すと肉が鍋にくっついてしまいますので要注意。肉を裏返して10数秒!ほんのり赤いくらいが食べ頃です。ジンギスカンは厳選されたオーストラリア産ラムのロース肉を使用しており赤身と脂身のバランスが良く、焼き上がった肉をさっぱりとした醤油だれに浸してほおばるとジンギスカン独特の食感と豊かな味わいが口の中に広がります。ここのジンギスカン鍋はやや小ぶりで中央部の凸部分にスリット状の穴が開いているため余分な脂が落ちて、ほどよい脂が鍋のへりの白菜に流れ落ちて絡みます。あまり焼きすぎず白菜の白い部分のしゃきしゃき感が残った状態で食べるのがお勧めです。そして、ここで特製薬味の登場です。ニンニクと生姜や鷹の爪が入った薬味をたれの中に投入すると、箸のスピードが格段に上がります。お店ではジンギスカンのお持ち帰りができますので、裏技ですが特にカツオの刺身を食べるときにこの薬味を使ってみてください。驚くほど合います。また、メニューにライスが載っていますが売り切れることも多く、お店では隣のスーパーで購入したり、家から持ち込むことをお勧めしています。そして最後は、肉汁や脂、野菜のエキスが溶け込んだたれの椀にお湯を注ぐと美味しい締めのスープのできあがりです。一方、ジンギスカン以外の名物と言えば梅割りです。よく冷えた20度の焼酎原液を小さなグラスに注ぎ、店主自らがそこから表面張力ぎりぎりまで梅液を入れてくれます。二日酔防止のため一人三杯までと但し書きがあり、私はジンギスカンを2―3人前、ビール大瓶1本と梅割り2―3杯でちょうど良い加減になり、店を出たときには何とも表現しがたい満足感が得られます。店は多くのファンに愛され創業50年を超えました。花巻の名店「みやかわジンギスカン」に是非皆さんも足を運んでみてください。

※この記事は「医報はなまき」405号(平成26年9月)に掲載されたものを、編集部の許可を得て、一部再編集のうえ再掲しました。

↑ このページの先頭へ